抱えて生きる勇気

いつもありがとうございます。

新幹線では電源コンセントを必ず確保したい、岩松正史です。

新大阪から帰りの
新幹線に乗った。

3日間働いて満足感と同時に、
少し疲れもあった。

私のあとに親子連れが乗ってきて
2つ後ろの席に座った。

30代のお父さんと、
4歳くらいの女の子。

女の子はパパに抱っこされ
はじめから泣いていた。

「ママ、ママ・・・」。
「ママ、ママ・・・」。
「ママじゃないとイヤだ・・・」。

ゴールデンウィーク真っ最中。

ママは何らかの理由で、
この電車には一緒に
乗っていないらしい。

あとで合流するのだろうか?

それとも、

父娘水入らずの旅行に出たものの
途中で寂しくなったのだろうか?

どちらにしてもよくある
親子のワンシーン。

「パパもご苦労様」。

心の中でつぶやいた。

泣き続けているので
パパは周囲の乗客の
視線も気になったのだろう。

女の子に

「じゃあ、ママに電話しよう」

と言った。

女の子は泣きながら
デッキに出ていった。

よくある親子の一場面。

「パパもご苦労様」。

心の中でつぶやいた。

ところが

親子はすぐに
デッキから戻ってきた。

どうやらママと電話が
つながらなかったらしい。

女の子はまた泣きながらこう言った。

「ママ、ママ、ママがいい・・・」。
「ママじゃないとだめなの・・・」。

パパは困惑していた。

続けて女の子は言った。

「またママに会える?」

その言葉を聴いて思った。

旅行や何かで少しママと
会えないくらいで
寂しがるなんて、

なんて子どもらしくて
かわいいんだろうと。

・・・ところが、

つぎの瞬間、

パパが言った一言が
私の中のほのぼのモードを
一気に粉砕された。

パパは答えた。

「また相談してみる」

 ・
 ・
 ・

女の子は、本当に
ママに会えない子だった。

今日久しぶりに会って、
別れが寂しくなったのだった。

雀の鳴き声のごとく、
か細い声で

「ママ、ママ・・・」

と泣き続ける女の子の泣き声は
今までと全く違う意味を持って
聴こえてきた。

私はいたたまれなくなり、
仕事をしていたパソコンの手が
動かせなくなってしまった。

女の子は、京都までの15分間
同じ声で泣き続けた。

あまりにも苦しくて、
その矛先をパパに向けそうになる自分がいた。

「なんでこんな小さな子を悲しませるんだ!」

と。

他人である自分の苦しみの責任を
パパに転嫁しようとした。

でも、

「パパが原因で、ママに会えなくなったとは限らないだろ」

冷静な自分が引き留めた。

「確かに・・・」

誰が悪いか分からない。

誰も悪くないかもしれない。

それでも女の子は傷ついている・・・。

その現実をどう受け止めていいか?

気持ちのやり場がなくなった。

世の中には、
悪者なんていなくても
誰かが傷つくことがある。

悪者がいても、
解決できないこともある。

自分の心が
いたたまれなくなったからといって、
解決策を探したてみたり、
悪者探しをしたくなるなんて

なんて自分はうぬぼれて
いるんだろうと猛省した。

どうにか気をそらそうとする
パパの努力が実を結び、

女の子は京都を出て
5分ほどで泣き止んだ。

スマホの動画を見はじめた。

でもその、

こんどは泣きやんで
けろっとした声で
パパと話しているのを聴くと

むしろ安堵するより
心が余計に締め付けられる思いがした。

私は、連日仕事をして
疲れたと思っていた。

でも、

女の子の悲しみに比べれば、
微細なことで音を上げようとしている
自分が恥ずかしくなった。

疲れたと思うことも、
早くこの疲れを癒やす必要がある
と思うこともやめることに決めた。

それくらいしか
この気持ちを少しでも収める
持っていきどころがなかった。

残念なことかもしれないけれど、
私にはこの件以外のときでも、

人の不幸に接したとき、
自分の幸せを再確認してしまう癖がある。

私は勝手に他人の人生の一幕に
興味を持ってせいで、
勝手に自分の心を痛めているだけだった。

そのことについて
解決すべき術もないし、
解決できる問題でもない。

人生には、そこに「何か」は存在しても
解決できないことが山ほどある。
(少なくても今すぐには)

解決できないものは、
抱えて生きるしかない。

他人である私すら
こんなに心がざわつくのだから、

女の子は、私の何千倍も
何万倍も大きな「何か」を抱えて
日々過ごしているに違いない。

私には、心がざわついても
それを抱えて生きる勇気を
持つ必要がありそうだ。

気持ちを切り替えた
(ざるを得なかった)
女の子に見習い、

私もパソコンのキーボードを
再び叩き始めた。

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<<編集後記>>

今回の大阪訪問は
寒い日が多く、薄めのコートを
もっていって正解でした。

帰りには雨も降り始めていましたね。

今日から息子とキャンプですが、
大阪から雨を持ち帰った感じで
関東は朝からシトシト雨です。

せっかくのキャンプが
雨で決定でありますが、
このBLOGを書き終わったら
別の楽しみ方を探すつもりです。

そんなこともありますね。

どうぞ、

今日もいい一日をお過ごしください!



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■傾聴の参考になる動画
心理学的な傾聴の説明をゆっくり学べます
→ 諸富祥彦の傾聴のねっこ(動画)