「見えている」と「見える」のちがい

「眼鏡をかけながら、眼鏡を探す」。

漫画に出てきそうな小さなドジですけれど、

あながち他人事とは言えないかもしれない。

・・・

8月6日は広島にいた。

たまたま仕事と、平和祈念式典の日程が重なった。

仕事場から徒歩圏内だったので、

朝早く式典に参加するべく平和記念公園に向かった。

ただ一つ気がかりなのは、荷物。

仕事が終わればそのまま帰宅するため、

大きなキャリーバッグを引きずっていた。

公園は混んでいるかもしれない。

これをもって式典に向かうのはふさわしくない。

そこで、途中どこかで荷物を

コインロッカーに預けて行こうと決めた。

馴染みのない街。

でもきっと、駅ならコインロッカーにあるはず。

そう信じて公園にも仕事場にも近い、

地下鉄の「紙屋町西駅」にタクシーで向かった。

タクシーを降りて、大きな交差点の階段を地下に降りると、

そこはただの駅でなく、地下街になっていた。

各ビルが地下でつながっていた。

「ここならありそうだ」

と、思ったが、十字に交差した地下通路の

どっちに行けばあるのかわからない。

たまたま、地下通路が交差するあたりで、

清掃をしている制服を着た年配の女性を見つた。

迷わず声をかけた。

「すみません、このあたりにコインロッカーがあると聞いたのですが」

本当は聞いてはいなかった。

階段を下りてすぐネットで調べときに、

確かに数か所あると書いてあったのだった。

清掃員の人なら、このあたりを熟知しているはず。

そう思って声をかけた。

けれど、思惑ははずれた。

「コインロッカー????うーん、どこかなぁ・・・」。

心当たりがないらしい。

仕方がないので、先ほど見た

ネットのページを再び開けて、

「トランベールビルとかにあるそうなのですが・・・」

と伝えてみた。

すると、そういったとたん、

清掃員の女性は「えっ!トランベールビルならここだよ」

と言って、わずか5メートル先の

ビルの地下入り口を指さした。

つぎの瞬間、女性と私は一瞬目を合わせて絶句した。

そしてお互いに、思わず笑ってしまった。

二人はコインロッカー目の前、

1mのところで立ち話をしていたのだった。

・・・

なぜそんなことになったのか?

地下に降りてきたとき、自力では

探せないだろうと早々にあきらめた私は

声をかけられそうな人だけを探した。

コインロッカー自体を探そうという意識はすでになかった。

清掃員の女性は女性で、いつもの自分の

清掃箇所だけを意識して見る習慣が身についていた。

確かに二人の視界にコインロッカーは「見えていた」。

でも「見よう」としていなかったから

二人には「見えなかった」。

・・・

同じ場所に立っていれば、当然みんな

同じものを理解していると思うのは間違いだ。

目の「網膜に景色が映っている」ということと、

その映ったものを情報として

「脳が認識できている」かはまったく別のこと。

目には見えていても、脳には見えていないことが

世の中にはたくさんある。

仕事や勉強を誰かに教える立場にある人は

この事実を知っておいたほうが得だろう。

同じものを見ても、それをすでに認識し終えている経験者と、

これから認識し始める人とでは、

ぜったいに同じものには見えない。

つまり、人に何かを教えるということは、

見えていない人の脳に、いかにアプローチをして、

見える状態にするか?というのだけが仕事だ。

自分の経験を押し付けることは、指導とは言わない。

見えているけれど見えていない党いのが当たり前。

「ここにあるんだから、普通気づくだろ!」

などと、脳の仕組みを無視して

叱咤激励など飛ばしている場合ではない。

そんなことを言ってしまったら、

教える立場の人自身が「私は無能です」と

宣言して回っているのと同じになっていまうからやめよう。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「教え上手は、見せ上手」

そして、もう一つ。

いいアドバイスができる人は、伝えるのがうまい以前に

相手が見えていないこと理解する能力にたけいます。

効果的なアドバイスがしたいなら

相手に「何が見えていないか」をよく聴くこと。

相手に見えていないものがクリアに理解できれば、

何を伝えればいいか、すべきアドバイスの中身も明確になります。

また、

相手が何かに理解不足であることに

腹が立つときというのは、

自分自身が相手に対して理解不足であるともいえるわけです。

理解不足な人が二人いるだけ・・・。

そんな場面もよく目にします。

見えないものに気づくことを試されるのは、

相手だけでなく自分も同じなんですね。

やはり人間関係は、自分の姿が

映し出されているだけのただの鏡であります。

・・・

平和祈念式典にも初参加して、

いかに自分が何も知らずに生きてきたか、

知らないことだらけでありました。

知らないこと、出来ないことは

それを認めることで、自己成長の糧になってくれると痛感しました。

<お知らせ1>

ちゃんとアドバイスをするためには、

「相手に見えていない」ことを

理解するためのイメージ力が大切です。

イメージ力を鍛え、ついでに

記憶力も鍛えらえる講座は

9月1日飯田橋で開催です。

あと1席あります。
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<お知らせ2>

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