うしろを許す

前に進みたいときほど、見失いがちなもの。

それは、うしろに下がる大切さではないだろうか?

・・・

高校生か大学生のころ、

テレビのスポーツニュースでみた、

あるプロ野球選手の言葉を、いまでもよく思い出す。

私の記憶が確かならば

ヤクルトスワローズの池山選手だったと記憶している。

(違っていたらごめんなさい)

池山選手は名将野村監督の下で

活躍した選手として知られている。

ホームランバッターである池山選手は、

より多くホームランを打つために

いつもできるだけバッターボックスの中で

前の方、ピッチャー寄りに立っていたそうだ。

その方が、よりスタンドに近づき、

1センチでも飛ばす距離を短くして

ホームランを増やしてやろうと、

考えていたのだという。

ところが、監督からは

「もっと、うしろに下がれ」

と指摘されたそうだ。

疑問を持った池山選手に

監督はこう説明をしたそうだ。

よりキャッチャーに近い

バッターボックスの後ろに立って

ピッチャから離れたほうが

より長い時間ボールを見ていられる。

そして、

よりうしろに下がった方が、

投げられたボールはだんだん失速するから、

速度が遅くなりとらえやすくなる、と。

アドバイスを受け、

バッターボックスでの立ち位置を、

前(ピッチャー)寄りではなく、

うしろ(キャッチャー)寄りにしたことで、

バッティングがより安定してきた

という内容のインタビューだった。

「なるほど・・・」

と、納得したので、そのインタビューを

今でも覚えているのだと思う。

・・・

「前に飛ばしたければ、うしろに下がる」

この考え方は、すべての生活に当てはまる。

もう一つ例を、野球で考えてみてもいい。

バッターボックスの前後だけではない。

バットを振るときも同じ。

バッターはみんな、ボールを前に強く飛ばしたい。

でも、ボールを強く前に飛ばすためには、

1回バットをしっかり、うしろに引いて

エネルギーをためなければ

バットに当たったボールは、遠くに飛んでくれない。

テニスも、ゴルフも原理は同じ。

地面からジャンプをする時も同じ。

より高くジャンプしたければ

1回ヒザを思いっきり曲げて、

しっかりしゃがんでからでないと

高く飛ぶことはできない。

・・・

周囲の人たちはみんな、

強くボールが前に飛んだ瞬間や、

高くジャンプできた結果ばかりに注目する。

結果がいいことをみんな喜ぶ。

これは止めようがない。

だから、他人は気にしてくれないからこそ、

自分自身は前に進みたいときほど、

うしろを大切にしないといけない。

社会に出ても同じ。

学校も、仕事も、子育ても、

とにかく良い結果ばかりを求められがり。

でもうしろが大事。

自分まで他人と一緒になって、

前に進むことだけがいいことで、

後ろに下がるのはけしからん

などと言いだしてはいけない。

・・・

かくいう私も苦い経験がある。

何年か前、講師としての成功を急いでいた私は、

記憶術の講座を、月に5回開催たことがある。

良縁も重なってそうなったのだったけれど、

1回開催するだけでも、それなりに疲労する講座。

それを連続して5回もやり、かなり疲労した。

実際にはそこに傾聴やその他の

研修、講演などもあったので、

一か月30日のうち、20日以上

表に出て講座などをした。

前に出たくて仕方がなかった。

そして、当然の結果として、

その後体調を崩した。

・・・

人生にはここぞと言う瞬間がある。

たまに無理をするのも悪くない。

でも、人間は前だけ向いて

ずっとがんばり続けることはできない。

前に出たいときほど、うしろでしっかり

エネルギーをためておかないと。

いいことか?悪いことか?で言えば、

前に進みたい人ほど、

うしろに下がることは「いいこと」になる。

周囲は前進する姿にしか興味がないから、

周りの期待に応えすぎようとすると、自分を見失う。

だから、

「止まること」

「うしろに下がること」

については、いつも自分の中で

「必要でいいことだ」

と自分に言い聞かせおかないといけない。

・・・

プラス思考が危険な理由はそこにある。

結果的にプラスになればいいに決まっている。

でも、プラスの結果を持続するために必要なのは

マイナスであることをちゃんと想像し、

許し、十分に付き合っていくこと。

意識的にうしろに下がれること。

マイナスを無視したプラス思考ほど

もろいものはない。

本当に前進したいなら、

止まる自分、うしろに下がる自分こそ大切にしよう。

うしろに下がることを許されれば、

人は安心して前に進める。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「うしろに下がってエネルギーをためる」

マイナスにも訳がある。

プラスにも訳がある。

マイナスもプラスも、すべてをそのまま認めよう。

<お知らせ>

表のワケと裏のワケ、

両方の意味と価値をしっかり理解し

他者理解を深める聴き方。

傾聴1日講座、8月の週末コースは、

満席となり募集を終了しました。

週末の次回は9月23日。

平日は8月23日、9月13日開催です。
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