傾聴を使った問題解決(3)方法の決定、まとめ

傾聴には受け止める機能だけでなく、

問題解決につながる大切な機能もあるということで、

話を進めてきました。

◆ステップ1「理解、受け止め、支える」段階

◆ステップ2「問題の分離、課題の共有、願望への提案」

第一ステップ「受け止め、理解する」

1.表の主訴の理解

2.事柄+気持ち両方の聴き分け

3.裏の主訴の理解

4.気持ちを支える

5.願望も一緒に支える

第二ステップ「問題を切り分けし、願望を叶える提案をする」

6.問題の分離

7.課題の共有

8.願望への提案

という形で進んできました。

・・・

今回、最後は、ステップ2のつづき、

9.方法の決定

と、全体のまとめをしたいと思います。


ステップ2「方法の決定、まとめ」(2)


もう一度復習をします。

・表の主訴は表面的な現象で、「要するに」訴えている裏の主訴がある。

・(悩みごとであれば)裏の主訴がわかれば、願望がわかる。

・願望がわかれば、願望を阻む壁が見え、大きな課題がわかる。

・大きな課題がわかれば、その人が取り組める小さな課題の設定が可能となる。

ここまでが、前回までのお話です。

今回は、最後、具体的な方法の提案の仕方について、

ご説明しましょう。


具体的な方法の提案


方法の提案とは、いわゆるいま設定した、

小さな課題にたいして、具体的に何をするか

設定する段階です。

カウンセリングであれば、次回までの

宿題を決める段階です。

例えば、前回までの例のように、

・表の主訴→正社員になりたい。

・裏の主訴→自信がない。

という人がいたときに、

いきなり就職活動をしても、うまくいかないと

お互いに判断したとし、裏の主訴に対して、

「自信をつける」

という課題を設定したとします。

「自信がない」というのは漠然とした状態なので、

「どのような自信のなさがあるのか」

本人の感じる「自信のなさ」、

あるいは、「自信がある状態とは?」

を丁寧に確認していきます。

その中でもし、

「正社員で働きたいと思うけれど(表の主訴)、自信がない(裏の主訴)ということであれば、もし毎朝決まった時間に起きられる自分になれたら、少し自信になりそうでしょうか?」

という問いに対して、

「確かに自信が持てそうだ」

ということになれば、

「まずは『朝決まった時間に起きられる状態をつくる』を課題にしてみることにしましょう。」

と提案したりします。

そして、朝決まった時間に起きるための

具体的な行動習慣作りの提案をします。

例)毎朝8時に玄関の靴を家族全員分そろえて、カレンダーに丸を付ける。

そして、提案する行動計画は、

双方の頭の中で、細部に至るまで

イメージできるところまで具体的に提案をし、

共有をしていきます。

・なぜ朝8時がいいのか?

・玄関に何足靴があり、何足そろえるのか?

・どこまでそろえて、どこまでそろえないか?

・「靴をそろえた」と言える状態は、どのようになった状態のことか?

・周囲の人に、その宿題をやっていることを知られても問題ないか?あるか?

・阻害要因として、どんなことがあり得るか?

(例 体調が悪いので朝起きられない日がありそう など)

・阻害要因に対して、どのように対処できそうか?

・いつまでそれを続けるか?

・継続が出来なくなったときの対処をどうするか?

カウンセリングであれば、

課題にどのように取り組めたかは、

次回の面接時に確認をしますが、

大切なのは、靴がそろっているかどうかではなく(事柄)、

靴をそろえるという行為をしながら、

日々どのように感じていいたか(感情)です。

なので、次回課題への取り組み具合について

確認するポイントは、

「それをしていてどう感じたか?」

「出来てどう思ったか?」

「出来なかった時どう思ったか」

のような質問が多くなります。

●ポイント1 「方法は細部にわたるまで具体的に決める。」

●ポイント2 「何をしたかより、どう思ってしたかに注目する」

もし課題が、社会人になるための「自信をつける」だった場合、

必要な体験は、

「毎日課題をパーフェクトにこなすこと」

ではありません。

むしろ、課題をやる中で

「挫折から復活する経験」

をつめるほうが、社会人になってから役立つでしょう。

その場合、本人には

「毎日続けてて自信をつけることを課題にしましょう」

と伝えつつ、課題をこなせたときには、

次回以降に、挫折するまで課題を増やしていったりします。

挫折したとき一人だったら心が折れてしまいます。

心の支えになる同伴者として傍にいてあげることで、

安心して挫折する練習をさせてあげるのです。

ビジネスでもカウンセリングでも同じですが、

提案する方法は、

①相手の願望に近づくものかつ、

②本人が意識できる以外の意味もあり、必要を満たせるもの

がベストです。

提案するときに見失ってはいけないのは、

「何のために」その行為をするのかという

「目的」を見失わないことです。

靴を毎日そろえられること自体意味はありません。

大事なのは、それが「自信につながっているかどうか」です。

「行為と結果」にとらわれず、

「本人にとっての、意味と価値」

の大きさに注目しましょう。

その軸がぶれてしまうと、

せっかく設定した方策がぼやけてしまいます。

また、方法を決める段階において、

もし当初相手が訴えてきた、表の主訴に対しても、

本人が納得して出来そうなことがあれば

それもやってもいいでしょう。

(履歴書の書く練習をするなど)

みんな、表面的な見かけを気にするものです。

客観的に見たら、裏の主訴が解決しなければ、

まだそれをやっても意味がない段階であっても、

それをやることで、

本人の精神安定剤的な効果がきたいできるなら、

それも悪くありません。

とにかく、大事なのは行為そのものではなく、

その行為に対する受け止め方です。

言い換えると「見えるもの」ではなく

「見えないもの」の方とも言えます。

今の例はカウンセリング的ですが、

ビジネスの提案であれば、

それが「納得」につながります。


まとめ


・表の主訴を聴きながら、しっかり支えて聴くことが心を開き、裏の主訴の理解につながります。

・裏の主訴の反対にある願望を聴き取り、もう一度しっかり、裏の主訴と願望をしっかり支える味方になることで得た信頼が、問題解決をスムーズにします。

・人は信頼関係があって初めて、具体的な支援を受ける心の準備ができます。

・願望を阻んでいるものを問題の方程式(問題=事柄+気持ち)に当てはめて、事柄への対処と気持ちの対処の両方をすることで、片手落ちの対応になるのを防ぎます。

・大きな課題が見えたら、細分化することで取り組みやすくなります。

・方法の提案は、いつ、どこで、なにを、どのていどまでするか?など頭の中で100%イメージが見れるよう詳細かつ具体的なものであることで、ブレなく行えるようになります。

・Aの場合はこうする、Bの場合はこうする、それ以外のときはこうするのように、起こり得る現象それぞれについて、具体的な行動計画は脳に安心感を与えます。

・何をするかと同時に、何をしないかも明確にすることで、はじめて課題としての意味を持ちます。

・実際にやってみて、どう思ったか?を聴きとりながら、修正を加えていきます。

その積み重ねにより、問題は解決の方向に向かいます。

問題解決とは、聴くに始まり、聴くに終わります。

人の心を無視した聴き方では、

本当に良い提案をすることはできません。

そこには傾聴がとても役立ちます。

悩みの根本原因である「裏の主訴」の理解には傾聴力が必要です。

解決のための提案は、裏の主訴に付随する

願望に対する提案になっていなければ意味がありません。

傾聴を使わずに、問題解決をするのが得意な人もいます。

そう言う人は、たぐいまれな

専門知識をもっているコンサルタントか

コミュニケーションをとらずとも、

「当てる」のが上手な人なのでしょう。

私は「当てる」コミュニケーションよりも、

「わかる」コミュニケーションをお勧めしたい。

当たりはずれは、時に人を傷つけます。

目に見えやすい、表の主訴にだけ対処療法をして、

表面的な現象だけ見て「解決した」と勘違いしている人もいます。

その人は、解決してあげたと思うことで、

自分が喜びたいのでしょう。

相手の心がどこにあるか?ちゃんと確認しないと

問題はまだ、解決していなかったりします。

深く受け止めるから、深く理解が進む。

深く理解できるから、本当に必要な提案できる。

これはビジネス、プライベートに関わらずどこにでも通じます。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「心の動きに注目して、話し、聴くといい」

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