声をかける

大阪出張の際よく使う定宿がある。

チェックインに行ったら、

いつもの女性のフロント担当者が応対してくれた。

ホテルの従業員さんというのは

時々入れ替わるものだけれども、

私の記憶が正しければ、この従業員さんは

もう3年前からずっといる。

いつもは混雑しているので声かけもしないけれど、

たまたまその日は私しかいなかったので、話しかけてみた。

「●●さん、ここ長いですね。いつもありがとうございます。」

すると、一瞬驚いた顔をしたあと、

少し微笑みながら

「そうなんです」

と答えてくれた。

私「3年くらいはいますよね」

従業員「はい。よくご存知で」

私「一度、部屋の不具合で交換してもらったことあるから、申し訳なかったと思って覚えてるんですよ。そちらはたくさんお客さんいるから、いちいち覚えていないと思いますが・・・」

従業員「いえいえ、会社の名前が珍しいので覚えてます。」

私「いつも4連泊しますが、チェックインの日はいらしても、帰る日はお会いしないですよね?」

従業員「はい、夜勤明けで朝帰るのでいないんです。覚えていてくださってありがとうございます。」

人生で初めて、株式会社あえるばという、

わかりづらい社名が役に立った。

ただの邪魔なおじさんと言われればそれまでだけれども、

こんな風にいろいろな人に話しかけられる

自分を結構気に入っている。

・・・

5年ほど前までの私は、声をかけてもらうまで

自分からはあまり話しかけられない人間だった。

それが今、声をかけまくるようになったのは

ただ単に歳をとって、人恋しいからもあるかもしれない。

でも43歳を超え、若手ではなくなったいま思うのは、

むかし、話しかけられなかったときに、

逆にいろいろな人から気を使って声をかけてもらったのが

どんなに嬉しかったか・・・。

むかし何かの集まりがあったとき、

話しかけてくれる人がいなければ、

私の存在は、その場から完全に消えていた。

話しかけてくれる人がいたときだけ、

その場に存在することができた。

そんな思いがあるものだから、

「オジサン化」したのを一つの口実に、

おせっかいにならない程度に、

今度は人にそれをしたい思う自分がいる。

でも相手にしてみたら、いくらか

おせっかいと思われているかもしれない。

相手の反応が今一つの時は、

すぐに引き下がる準備もしている。

でも、一応こちらなりに場の配慮はしたうえで

話しかけてみると、

反応から、悪くないものを感じることが多い。

たとえば、一つのバロメーターとして、

こちらが、いち話しかけると、それが誘い水のようになって、

3も4も話してくれたりする。

世の中、もともと話したい人が9割なのだろう。

それに、大人になると、表面的にはたくさんの人に会っても、

内面的には結構、孤独だったりする。

特に接客業などは、気を使わないといけない仕事だから、

気を使ってもらうことのほうが少ないのではないか。

もし自分が逆の立場なら、

仕事で客から要件を言われる以外に、

自分という人間に関心を向けてくれて声をかけてくれたら

きっとうれしいと思う。

話したい意思が明確な人の話を

ちゃんと聴くことも大事なのだけれど、

無意識にでも孤独を感じている人に、

ひとこと声をかけてみるのはいいのではないだろうか。

では、「孤独を感じている人」は

どうやって見極めができるのか?

その答えは簡単。

人間は「ほぼ全員が孤独を感じている」。

だから場違いにならないよう、

その場にあった声かけであれば、

いつでも試みていいのではないだろうか。

問題は、話しかけること自体がいいか悪いかではなく、

相手に関心を寄せるか語りかけができるかどうか。

どの場面で、どのように話しかけるか?

伝え方の方の問題。

でも

「個人的な興味を満たしたいだけ」

「相手に関心を向ける」

の境界線はわかりにくい。

だから、

相手が受け取りやすい伝え方をするのであれば、

個人的な興味でも、相手への関心でも、

特に線引きする必要はない気がする。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「問題は伝え方」

伝えるときのポイントは、最初のひとこと目を

どうするか以上に、

ひとこと目を投げかけたあと、

相手の反応をちゃんと観察し受け止める準備をしておくこと。

やり直す準備さえあれば、感覚のズレがあっても、

修正していけば問題ない。

自分の興味本位だけに、飲み込まれてはいけないということですね。

受け取る準備をしながら、話しかけましょう。

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