「2つの袋」の法則

小学生の頃、親に連れられて

買い物に出かけた百貨店の

トイレに閉じ込められた経験がありまして。

子ども心に焦りました。

何回、扉を押してもあかないので、

「俺の人生は、一生トイレなのか・・・」

と、絶望したのでした(笑)。

・・・結局どうやって

外に出たかといいますと、

扉を「押す」のではなく、

「引いた」ら開いたのでした。

自宅のトイレの扉が

「押して」開けるタイプだったからか、

「引いて」開ける習慣がなくて、

思いつかなかったのでした。

人生経験の不足が招いた

小さなトラブルでありました。

・・・

こんな風にして人間は、

慣れている人から見れば

当たり前に思える簡単そうなことでも、

経験がないと、全くできないことがあります。

あなたも、部下に仕事を教えているときや

子供に勉強を教えているときに

こんな風に思った経験はありますか?

「なんで、こんな簡単なことわからないんだろう・・・」

と。

でも前述のとおり、

経験がないこと、慣れていない

すべてのことは脳にとっては

「許容範囲外」

なのであります。

人間の脳の中には

「2種類の袋」

がありまして。

一つは、

常識的に物事を理解し、分析し

判断するときに使える

「常識の袋」

もう一つは、

今まで体験したことがあるものが

自然と表現される

「経験の袋」

です。

2つの袋にはそれぞれ、

カードが入っているようなイメージです。

この2つの袋の違いは何かといいますと、

冷静な時ほど「常識の袋」から

カードを取り出しやすく、

慌てたり、焦っていたり、

疲れているときほど、

「経験の袋」から

カードを取りやすい点です。

・・・

私がトイレに閉じこめられた(と思った)ときに

「扉を引いてみよう」

というカード(選択肢)を取り出せなかったのは

1.焦っていて
2.扉を引いた経験が乏しかった

ので、

常識の袋から、思考し判断できませんでした。

もともと、私の「常識」には

「扉を引く」というカードはありませんでしたし。

・・・でも、

思考する余裕があれば、

引いてみることもできたかも知れませんが、

その余裕もなかったわけです。

人間というのは初めてのことや、

苦手なことをやるときは緊張するものです。

部下の仕事でも、子供の勉強でも、

基本的に教わる方の人は、

はじめてそれに触れるか、

苦手と思っているので、

焦っていることが多いわけです。

すると、焦れば焦るほど

「経験の袋」のなかから

カードを出してしまいます。

経験がないから、教わっているのに、

自分の経験の袋からカードをだしたら・・・。

当然うまくできませんよね。

逆を言えば、

教える方法の人が、その経験の袋の法則を

知っていれば、

「人間て、そんなものだよな」

とも終えるので、

経験が(さほど)ない人に向かって

「なんでそんな簡単なこともわからないの?」

なんて無意味なことを言うこともしないでしょう。

もし、自分には簡単にできることなのに

他人にうまくできるように伝えられなくて、

イライラしたらなら、

それは、出来ないでいる人の問題ではなく、

伝えている人の方の

マネジメント能力の問題です。

「簡単なことでも、経験がないことはできないはず」

なのですから。

・・・

たとえば、

思うように学習できずにいる部下に

腹を立てている人がいたとしましょう。

その人が別のマネジメントがとても得意な人から

「なんでそんな簡単なことも、部下ができるように教えられないの?」

と言われたらどう思うでしょうか?

「あなたには簡単でも、こっちには難しいんだよ!」

と言いたくなりませんか?

既に一生懸命やっているのに、

これ以上どうやったらいいのかと、

困惑するのではないでしょうか。

それと同じですね。

また、指導の効果という点で見ても、

「なんでわからないの?」

「なんでできないの?」

と言われたから、出来るようになることなどないわけです。

言うだけ、相手の自尊心を傷つけるだけです。

「自分には簡単でも、他人はできないのが当たり前」

と思っておくくらいがちょうどいいですね。

当然、時間をかけてちゃんと指導すれば

だんだんできていくこともあるのですが、

では、それまでのあいだ、

「出来ない他人にイラつかず許す」

にはどうしたらいいでしょうか?

ここにもまた経験の袋の法則が使えます。

どう使うかと言いますと・・・。

あなた自身が

出来ない自分を許せれば、

他人のことも許せるようになります。

逆を言えば、

あなたが、出来ない(かった)自分を否定し、

何かができないことについて

劣等感を持っているうちは

他の人を許すこともしにくいでしょう。

つまり、

自分を許す経験をたくさんした分だけ、

自然と経験の袋から、

他人を許すカードを

取り出しやすくなるというわけです。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「自分を許せる分だけ、他人を許せる」

結局、他人に何かをしようとすることは、

全部、自分に課題が跳ね返ってきますね。

それは大変喜ばしいことではないでしょうか。

だって、

「他人は変えられない」のでしょう。

でも、自分のことは、

自分さえあきらめなければ

変えようと試みることも、

あきらめて受け入れることもできるのですから。

「課題はいつも、自分の中にあってよかった」

と思うのは、私だけでしょうか???

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