本当の嘘をつく

「きょうはいつもより遅かったですね。」

ある日の朝、保育園に息子を送り届けに行った際、

先生から言われたひとこと。

べつに何の悪気もない何気ない言葉です。

実は、その日の朝は

ブログのねたがなかなか決まらなくて

苦労していたために、家を出る時間が

遅れたのでありました。

「話す必要もないけれど、自分なりにワケがある。」

そんなとき、あなたならどうしますか?

いちいち全部説明は鬱陶しいしですし、

「子供が起きるのが遅くて・・・」

なんてありがちな嘘が頭に浮かんでも、

やっぱり子供を悪者にした嘘などつきたくないでしょう。

そんなときは、

「本当の嘘」

をつく、という方法があります。

どういうことかといいますと・・・。

「本当の嘘」というのは、

「自分の中では嘘ではないけれど、訊いた相手の中では、勝手に想像が膨らみ納得しやすくなる言葉」

のことです。

例えばこんな言い方になります。

「朝一に、仕事でトラブルがありまして・・・。」

まず、私的には

「いつも通りにはブログがなかなか書けなかった」

というのは、

ある意味本当に「トラブル」であります。

一方、この言葉を聞いた人は何を想像するかというと

遅れるくらいのトラブルですから、

小さいものというよりは、

どちらかというと大きめのトラブル。

たとえば、

早朝からお客さんから

「クレームの電話が入った・・・」

くらいまで、拡大して妄想する可能性があります。

事実について具体的に

「ブログが書けなくて」などと言わなくても

早朝、仕事でトラブル

という風に、どのようにも解釈できる表現で事実を伝えると

あとは勝手に、相手のほうが理由付けをして

納得してくれるというわけです。

「ブログが書けなくて」と「トラブル」という言い方の

違いは何かというと、

「トラブル」というのはその人が持っている

「感覚(=気持ち)」なのです。

具体的な事柄で表現すると、脳は

「その程度はトラブルと言わないのでは」」

と分析を始めますが、

抽象的で感覚的な、どうとでも解釈できる

広い概念で表現すると、

脳は抽象的な理解がキライなので、

勝手に脳が合理的に理由付けして

「トラブルというのだから、きっとものすごく大変なことなのだろう」

と、勝手に納得してくれるというわけです。

この伝え方をするときの最大のポイントは、

「自分の感覚としては真実である言葉で表現する」

ことです。

私はたまたま「トラブル」という言葉がしっくりきましたが、

自身にとってぴったりくる感覚なら

「事件」でも「悲劇」でも何でもいいのです。

とにかく、

自分にとってしっくりくる感覚の表現かどうかが大切です。

・・・

話は変わりますが、

人の話をちゃんと聞きたいという方の中には

「相談されると断りにくい」

という人が結構います。

例えば、

うつ病の知人がいて、その知人は

病院にも両親にも不信感を持っている。

そして、親切なあなたに向かって

「あなただけが、私のことをわかってくれる」

といって、頻繁に電話をかけてくる・・・。

こんなシチュエーションでしょうか。

親切な人ほど、親身に聴き始めるのですが、

その回数が1、2回ならまだしも、

5回・・・10回・・・と増えてくると、

さすがに嫌になってくるでしょう。

その時に正直に、

「ごめんなさい今日は疲れてて聞けない。」

と言えず、

疲れない聴き方を身に着けようとして講座に来る

・・・そのような方は結構たくさんいます。

でも、その人が身につけなければいけないスキルは、

疲れない聴き方より以前に、

「断わり方」

なのです。

自分が疲れても断れない人は、

そもそも相談に乗ってはいけない人なのです。

・・・でも、

実は相手も「断らなさそうな人」を探して、

声をかけてくるのですけれどもね・・・。

例えば早く帰ってお風呂に入りたかったとしましょう。

その時、

相談遮って「お風呂に入りたいから帰るね」

とは言えないでしょう。

でも、私ならこういいます。

「家で用事があるのでそろそろ帰ります。」

と。

自分を休ませるために、お風呂に入るは

私にとって「大切な用事」です。

そう本気で思えていれば、

このセリフは簡単に言えますが、

このような言い方にも抵抗を感じる人もいるはずです。

その方はきっと、

「断ることはいけないことだ」

という価値観を持っているのではないでしょうか。

言い換えれば、

「自分を犠牲にして、差し出すべきだ」

といっているように聞こえます。

自分の価値が低いと思うと

なかなか断りにくいものです。

でも、自分を大切にできない人は、

本当の意味で誰かを大切にできるはずもありません。

もし、目の前の困っている人を大切にしてあげたいなら、

目の前のその人よりも、もっといつもそばにいる、

あなた自身を大切にするところから

始めることをお勧めします。

自分の中の真実の言葉を使って断ることは

自分を大切にすること。

自分を大切にできる人だから、

他の人のことも本当に大切にすることができる。

そう思うのですが、いかかでしょうか?

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「聴き上手になる前に、断り上手になる必要はないか?」

こんな風に考えて見ると、

コミュニケーションの問題の多くは、

実は「相手と自分」の間のトラブルではなくて

「自分と自分」の間のトラブルであることが

よくわかります。

この言葉を

相手に許してもらう前に、

まず自分を許せる人になりたいですね。

そのためにも、

自分にとっては本当だけれども、

相手が想像を膨らませて勝手に納得してくれる

「本当の嘘」

よかったら試してみてください。

<お知らせ>

「本当の嘘」のポイントは、

自分の中でうそにならない

すっきりした感覚で話すことです。

自分の感覚の気づき方を知りたい方は、

来週8月25日と27日の

大阪、傾聴1日講座にお越しください。

次回開催は未定です。
 ↓
http://goo.gl/jLXu7c

 

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