心に届く言葉、届かない言葉

タイトルが綺麗なわりに、

いきなり「トイレ」の話で恐縮です(笑)。

先日、旅行先のホテルに泊まったときのこと。

部屋のトイレに、このような張り紙がしてあった。

「紙の使いきりにご協力ください。」

その下を見てみると、

トイレットペーパーが1つではなく、

2つ横に並んで設置してあることに気が付いた。

どうやら、両方を交互に使う人がいて、

中途半端に紙が残るのを防止したいらしい。

量が減ってきたトイレットペーパーを使いらずに、

量が多いほうを使われてしまうと、

中途半端に残ったトイレットペーパーを

無駄に捨てなければないということだろう。

でも、その張り紙を見たとき、違和感を感じた。

「この書き方では無理だし、施設の評判を落とすな。」

と。

この張り紙には、

「モノを大事にしましょう」

と、正しいことが書いてある。

でも、正しい言葉を書けば

人がそのように行動するわけではない。

そもそも、

なぜ1つのトイレに2つ並べて

トイレットペーパーを設置してあるのだろうか???

答えは簡単で、

トイレットペーパーがなくなって、

お客さんが交換する手間を減らそうという意図だろう。

お客は使いたいときに

トイレットペーパーをすぐ使いたいので、

あらかじめ2つ設置しておくのはよいサービスだ。

その自由にストレスなく使いたいお客に対して、

今度は、順番通り使うように指示するというのは、

果たして本当に効果があるのだろうか?

修行ではなく、旅行といいう

シチュエーションを考えてみても、

客の心が「自由」である以上

その呼びかけは、正しいことだが、

おそらく客の意識には届かない。

実際、自由に左右交互に使われてしまうから、

このような張り紙が必要だったのだろう。

もし本当に、無駄なくトイレットペーパーを

使ってほしいなら、方法は2つある。

客に交換する手間をかけることも致し方ないと考えて、

トイレットペーパーを一つにする。

または、

(ときどき見かけるが)

一個を使い終わって芯を抜いたら、

自動的にもう一個が上(横)から出てくる設置器具にする。

こうすれば、確実に

トイレットペーパーは余ることなく使い切ってもらえる。

でもそれをしたくないのであれば、

人に何か行動を促したいときは、

正しい理屈で攻めるよりも、

無意識にそうしたくなる環境を作ったほうが

よっぽど効果的でお互いに角が立たない。

・・・

書きながら思い出したが、

トイレつながりで、

男子用トイレの汚れを予防するために

最近はやっている方法がある。

「小」の便器の真ん中に

「的」のシールを貼り付けるという方法だ。

※わかりにくいと思うので、絵が載っているサイトのURLを記載します。
 ↓
 http://goo.gl/DCx0Lw

このシールは「的」だったり

「クモ(昆虫)」の絵だったりして面白い。

人の心理にはゲシュタルトというが、

「全体の統一性」を求める心理がある。

このシールは、真っ白のトイレに

あえて汚れとなる点を作ることで、

それが気になり、

なくしたくなるため

用を足すときその的を狙いたくなる

という心理をうまく利用している。

便器周りを汚さない方法として

万能ではないようだが、

やらないよりはやったほうがよっぽどましな方法だ。

もう一つ。

トイレでこんな張り紙を見たことがないだろうか?

「いつもトイレをきれいに使っていただいてありがとうございます。」

決してここには

「トイレをきれいに使ってください。」

とは書かれていない。

なぜなら、人の心は

感謝(ありがとう)されると、

その期待に応えようという意識が芽生えるが、

命令や指示(してください)されると、

拒絶あるいは無視したくなる心理を利用した方法だ。

何事もお願いや命令では人の心は動かない。

それだけははっきりしている。

だから、たとえ正しいことでも、

それを指示、命令、お願いして

相手がやらないからと言って、

相手に不満を持つことは

人の心に反しているのだから間違っている。

無意識に「そうしたくなる」環境を

作ることを最優先に考えると、

常識とは違う答えが見えてきたりする。

その方法は、私が思いつかない

ものもさまざまあるだろうが、

少なくとも、トイレットペーパーを

2つ設置していたホテルは

こんな風に書いてみたらどうだろうかと思う。


「いつも1つずつ使い切っていただき、ありがとうございます。」

実験してみないとわからないが、

おそらくこの書き方は「いつも」は

このホテルを利用していない人にも有効だろう。

ここでいう「いつも」という言葉は、

「他のみんなもそうしている」

というインパクトを与えるだろう。

すると、

「仲間外れになりたくない」

という欲求(所属の欲求)が働き、

もともと常識ある人であれば、

無意識に、みんなと同じ行動をとることを期待できる。

もちろん、

世の中にはひねくれ者がいて、

アウトサイダーでいたいという人もいるから、

逆効果ということもあるだろう。

でも、世間には相対的に、ひねくれ者よりも

まっとうな人のほうが多いと仮定すれば、

やはり効果は期待できる。

(もし、世間にまっとうな人より、ひねくれ者のほうが多いなら、そもそも張り紙などしても意味がない)。

とにかく、

誰かに何か行動を促したいなら、

無意識に心が動くかどうか、

そこがポイントに違いない。

【この言葉を自分に言ってみよう!】

「正しくても、心に届かない言葉を使ってないだろうか?」

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