~気持ちがのらないスキルでは傾聴にならない~ 著書「聴く力の強化書」原文より抜粋

ある時カウンセラー向けの勉強会に受講生として参加した時のことです。

講座が終わりに近づいた頃、ファシリテーターの先生から全員一つの輪になって椅子に座るように指示がありました。
その場には20名ほどがいました。
先生も輪に入り自分の右手側にいる人から順番に今日一日講座に参加した感想を一人1分ずつ話していくようにといわれました。
そして先生は一人話し終えるごとに「あなたは○○について△△と感じている」と要約をし始めたのです。
その場にいた全員分の要約をあまりに的確に行う様はまさに圧巻。
「ミセス要約」という呼び名がぴったりでした。
印象深い経験でした。
あの先生くらい的確に主訴が捉えられたらきっと素晴らしいカウンセラーにるだろと感動して帰りました。
その後、ときどきその日のことを思い出す事があったのですが、最初に感じていた感動はだんだんと疑問に変わっていきました。
その疑問とは、なぜ「ミセス傾聴」ではなく「ミセス要約」なんだろう?ということです。
幾度となくこの疑問が頭の中に浮かんできました。
でも何度思い返してみてもあの場面は「ミセス傾聴」ではなく「ミセス要約」なのです。
それから3年くらいたってようやく一つの結論にたどり着きました。
「あれは傾聴ではなく、ただの要約だ。」
的確でお上手な要約だけれども、まったく気持ちに寄りそった感じがなかった。
淡々とこなしていく風貌はまさにロボット。
その後も何度か似たいような人に出会う機会がありいつしか無感情にくり返し、要約をする人のことを「傾聴ロボット」と呼ぶようになりました。
最近は個人だけでなく企業研修などでも聴く練習をします。
あなたの身の回りに「お上手」な傾聴スキルを使う傾聴ロボットさんはいませんか?
いくら話の内容を完璧にくり返したり、要約できても、そこに気持ちが乗っていなければ傾聴にはなりません。

※原文からの抜粋なので、書籍とは若干内容が異なる場合があります。

↓岩松正史著「聴く力の強化書(自由国民社)」
http://goo.gl/IrV1em

著書のもととなった「傾聴1日講座(基礎)」の詳細はこちら
http://goo.gl/AyhZaK