怒りすぎていると、ほめられなくなる理由

いかに人間の脳が矛盾することを嫌うかが

よく分かる実験があります。

女性の写真のカードを2枚並べて見せて、

一人の男性にどちらか

好みの女性を選んでもらいます。

仮に左の女性のカードを選んだとしましょう。

すると出題者は、カードを伏せてから、

その男性に選んだ女性のカードを渡します。

しかし実はこの出題者はマジシャンで、

カードを手渡す直前にわからないように

カードを入れ替えているのです。

男性には好みではない方の

女性のカードが手元にきます。

手元に届いたカードを男性は眺めるのですが、

この時に

「さっき選んだのと違う」

とは気付かないのです(選択盲)。

このときもう一つ面白いがおきます。

「どうして左の女性を選んだのですか?」

と、質問をすると男性は

「金髪がきれいだから」とか

「笑顔が素敵」とか、

目の前の好みではない女性の写真の特徴を

あげる人が少なからず出てくるそうです。

(さきほど選んだ写真の女性は金髪でもないし、
 笑顔ではなかったとしても)。

おそらく、

選んでしまった以上は

彼女を好きであると本人は思いこんで、

理由をあとづけして帳尻あわせをしているのです。

この時の特徴は、

本人はそのことに気づいていないという点です。

あくまで本気で言っているので、

自分がウソをついていることに気づくことはありません。

(参考:「単純な脳、単純な私」池谷祐二)

人間の脳は自分が矛盾することをとても嫌います。

一貫性を求めます。

それが原因で、親子関係の中に残念なことも起こります。

・・・

たとえば、

大人になってからも引きこもり状態がつづく子供と暮らすことは、

親にとってとてもストレスフルなことです。

「なぜ働かないのないだろか?」

「同級生たちのように、結婚しないのだろうか?」

「孫の顔を一生、見られないのだろうか?」

「親がさきにいなくなった時、この子はどうなるのだろうか?」

不安はストレスとなり、

ストレスは怒りとなって現れ。

引きこもりの子に限らず、

親が子供に対して改善しなければいけないと

思っている課題の中に

「強く怒りすぎてしまう」

「しつこく怒りすぎてしまう」

というものがあります。

そして、

怒りすぎてしまうと自覚している人はよく

「できるだけ、言いすぎないよう、怒らないように努力しています」

といいます。

しかし、

「何か悪いことをしないようにしよう」

という試みはいつもほぼ失敗に終わります。

いっときは我慢できても、

しつづけることはできないのです。

我慢することによりたまったストレスは

蓄積され、必ず後で爆発します。

対処法としてよいのは、脳に対して

「悪いことをしないようにする(禁止)」

ではなくて、

「良いことをするようにする」

ことです。

すると我慢するストレスは減ります。

この場合であれば、

「子供をほめるようにする」

ことで、我慢するストレスが爆発して、

より関係を悪くすることは防げます。

しかし、

残念なことにさきほどの選択盲の例のように、

人間は無意識に矛盾することを嫌うのです。

すると、

普段から子供を叱り慣れている人ほど、

子供をほめることはできないということになります。

いつものよく叱っている自分の姿と

矛盾してしまうのですから・・・。

いま子供をしかったばかりの自分が、

1分後には子供をほめているなんて、

脳は許したがらないのです。

ですから、

何をお伝えしたかったかというと、

「子供をほめる」という方法は

関係改善にはとても有効なのですが、

いままでの生活習慣から、

それをなかなかやりにくい自分を

決して責めないで欲しいのです。

何十年かけて身につけてきた

思考のクセを変えるには

多くの時間と反復練習が必要となります。

人間は自分の意思で脳の無意識を

コントロールすることはできません。

だから出来なくて当たり前。

「100回中1回でもできたら、もうけもの」

くらいの気持ちでやった方が、

うまくいくはずです。

また、

もし100回のうち1回出来たら、

そのときに

「1回しかできていない」

といわずに、

「1回ちゃんと出来たよ、私!」

と自分をほめてあげましょう。

子供をほめるのが苦手な人は、

自分をほめるのも苦手だったりします。

実際は、

自分をほめるのが苦手だから、

子供をほめるのが苦手という方が正解かもしれません。

人は、

自分に対してできないことは、

他人に対してしてあげることはできません。

(経験が乏しいのですから)

子供に怒らず、ほめたいと思うなら、

まず、

自分に怒らず、ほめてあげましょう。

人間関係はすべて、

自分と自分との関係の鏡です。

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